エヴァンゲリオン終劇

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エヴァンゲリオンが終劇した。
エヴァは僕にとって多分、少し特別な存在のものだ。
特に人生を変えられたとか。そこまで大袈裟なものじゃないけど。

プロフェッショナルに庵野監督が出ていた。
エヴァを見続けて、同時に庵野監督を見てきたのだ。と思った。

記憶が古くて定かじゃないけども、当時を思い出してみる。
確か、夕方の6時とかに放送してたと思う。
自分はリアルタイムでは見ていなくて、エヴァっていうものがやってるらしい。くらいの認識だった。
番組が終了して時間が経っても、世間(本屋とかおもちゃ屋とか)で見る機会はより多くなり、盛り上がりを強く感じていた気がする。

映画公開かのタイミングに、深夜放送で一挙放送をやるらしい。という事を聞き、多分録画したのだったと思う。(この頃はVHSにGコード予約というものがあった)
友人同士で映画を見たり、ゲームをしたり、イラストを描いたりしていた時期。

録画したエヴァンゲリオン。
どうしてそうなったかわからないが父親と見た。(エヴァを見た人ならわかると思うが、父親と二人で見るようなものではない)
年末とか、冬休みとか、そういう夜更かしをするタイミングだったのかもしれない。
確か三日間の一挙放送。録画したエヴァを三日間、深夜に見たのだった。(もしかすると、録画なんてせずにリアルタイムで見ていたのかもしれない)
だんだんと精神描写にのめり込むエヴァ。少しエッチなシーンなども挟まれ、とても気まずい思いをしたことを覚えている。

その当時は阪神大震災や、地下鉄サリン事件などがあり、何か暗い雰囲気が世間にまとっていたイメージがある。(数年経過してるから、ただのイメージかも)
もしかすると、自分も思春期であったから思い出のフィルターが少し暗いイメージになっているのかもしれない。

そんなタイミングだったからなのか、強烈だった。
見たときの自分の年齢なのか、世間のそういう雰囲気なのか、そもそもエヴァの持つ独特さなのか、いろんなものが混ざり合って強烈だった。

個人的にあのテレビ版の最終回は賛である。
見終わった後には、何かとても開放された感じがしたし、ありがとう。と思った気がする。
僕の人生でそういう開放感を与えてくれた作品は後2つあって、
ライ麦畑で捕まえて。とファイトクラブである。

そうして見終わったエヴァ。
当時の友人達も確かそのタイミングくらいでエヴァの話題になってきた気がする。(もしかすると先にコミックスかもしれない、、、)
そうして、カードとか集めたりした。
友人が買った一万円くらいの初号機のプラモを見に行ったりもした。
当時、プラモなんて500円くらい。高いものでも3000円くらいだった。
エントリープラグを挿入できるギミックもあるんだぜ!っていうのを見せてもらって、すげー!って言っていた。

結局のところ、テレビ版エヴァのラストはやり直しになるらしい、やりなおした版は映画でやるんだ、という情報をキャッチした。
そこで、その友人と二人で映画館に行ったと思う。
多分、当時はそんなに情報もなく、僕は何をするのかよく分からないまま映画館に行った気がする。
なぜなら、僕のエヴァはテレビ版で終わっていたから。
きっちりと。祝福と感謝があり、終わっていた。

友人だけで映画館に行くなんて、多分ビッグイベントだったと思う。
そのビッグイベントで観たエヴァは総集編だった。びっくりした。テレビ版のダイジェスト。
映画館で、総集編を観るのか?という戸惑い。
総集編が終わるとトイレ休憩(があった気がする)
その後が本当のラストだった。

そう、気持ち悪いラスト。(この辺りは記憶が曖昧で、もしかすると後日かもしれない)

観終わった後は、なんじゃこりゃという気持ちで、終わった。
けれども、まぁ人との関わりって気持ち悪いかもな、とも思ったし、納得した。
これがテレビ版、旧劇場版の僕の思い出。
個人的には物語としては終わっていなくても、テレビ版の終わりが好きだ。そこからエヴァっぽいものが出てきたけどやっぱりエヴァの衝撃や作画は衝撃のままだった。(多分、雛鳥が初めて見たものを親と思うみたいな話と同じだと思う)

そこから10年後。
庵野監督がエヴァを作り直す、と宣言した。
こちとら、思い出のあるアニメだ。
けれども、そこはもう付かず離れずというか、僕は適度な距離感で成長してきてしまっている。
妹の子供がエヴァデザインの新幹線に乗ったり、残酷な天使のテーゼを口ずさんだりしている。
時の経過で、エヴァは普通にあるもの。になってしまっていた。
「序、破、急、?」

序は確か、映画館には観に行かなかった。

DVDか何かで観た時は確かに映像が綺麗になってる!くらいの感想だった。(それでもすごい)
作り直す、ってこういう事か、くらいの感想だった。

破は、昔映画館に一緒に行った友人と観に行った。
最高だった。
友人と映画館からチャリで帰る時、最高やったやん!と何回も言いながら帰った。

Qは初日にレイトショーに観に行った。
(この辺りからエヴァの熱が少し上がってくる)
観終わった後、なんじゃこれ、と思った。
まさに、完全に昔の感情を引き戻してくれた。
作り直すとはこういう事か、、、そういう事だよな、、、だからこそ、エヴァか、、、
そこから、熱は少し冷めてしまった。

間にシン・ゴジラが入る。
シン・ゴジラは最高である。

そうして、Qからだいぶ間が空いて公開されたシン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
予告編が公開された時、宇多田の曲にやられた。
最高だ。何度でも観れる予告編、、、作画もすごい、、、
けれども、まぁそこまで期待感もなく、(終わるんだろうけど、結局まぁ、、、)
でも初日には観たいな。とチケットを取った。(IMAX)

見返すつもりはなかったけど、前日にテレビ版を通しで見た。(これが良かった)
旧劇場版もみた。(これが良かった)
時間がなく、序を見て、破とQをザッピングしながら観た。

迎えた初日。
シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
最高だった。
エヴァの呪縛にとらわれていたのはチルドレンであり、我等であり、庵野監督だった。
解放された。エヴァから解放され、何かから解放された。
テレビ版のラストを観たときと同じ感覚。
最高だ。
作画もメタ的視点も、旧劇との繋がりも。
同じようなシーン。メッセージなのに、時間という熟成が別の意味を持たせている。
全員が成長している。

特に、前日に旧劇を見ていたのも良かった。
あ、この展開は旧劇をなぞってるんだ、と見る解像度が上がった。

テレビ版から綾波が好きだった。エヴァといえば綾波。
その綾波がシンジくんを立ち直らせて以降、退場する。
シンジ周りの女性はシンジをサポートした後は退場する。

そして、新しく歩み始めるシンジにマリ。
エヴァが終わった。
終わる事とは、新しく始められる事。
さようなら、エヴァンゲリオン。

何かを始めたい気分ではある。

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